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第8話: ホームステイからの脱出、ルームシェアと恐怖の夜 | カナダのデジタルマーケター海外就職ストーリー

第8話: ホームステイからの脱出、ルームシェアと恐怖の夜 | カナダのデジタルマーケター海外就職ストーリー

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「これから日本人と一緒に住むの?」

ホームステイ先を出るということを告げた後、ホストファミリーに言われたセリフだ。

私は嫌味を込めて言われているようでムッとした。
どうやら、英語環境に嫌気がさして引越しを決意したと思われたらしい。

私は”No”とだけいい、それ以上多くは語らなかった。

正直、ホームステイ先での生活はストレスの連続だった。
ホストファミリーが悪いというわけではない、私がアレコレ指示されてやるのが嫌だったのである。その上費用が高いのに、それに見合った価値がないと判断しただけである。

“I appreciate everything you’ve done for me.”

これだけ言ってホームステイ先を後にした。

引越し先はバンクーバーのダウンタウンの少し外れにある住宅街にある。Craigslistという掲示板サイトで見つけたルームシェアである。

入居者は私を含めて4人。もともとそこに住んでいたカップル2人と私、そしてもう1人である。

学校があるダウンタウンには自転車で10分でいける。夜遅くまで飲んでも問題なく変えることができる距離である。

ルームメイトはもちろんカナダ人。家賃もホームステイをしていた時のおよそ半分である。

私は浮いたお金で、友人と飲みに行くことができることが嬉しかった。
お酒を飲むと突っ込んだ話もでき、英語の上達にもつながる。

一石五鳥と言っても過言ではない今回の決断に非常に満足していた。

入居して最初の週末、ルームメイト4人で昼からお酒を飲むことになった。
安いテキーラやウィスキーなどのHard Liquorを皆でシェアして小さなパーティを開いた。

英語がうまく喋れない私は事あるごとにいじられた。
特にRの発音ができないことを ”Why? That’s hilarious!”と言われて大笑いされた。
酔っ払っていた私はとにかく楽しくて、同じく大笑いした。

私の求めていた環境はこれだ!と思った。
今回の引越しは大成功だと確信した。

しかし1ヶ月ほどたって、ある異変に気づいたのである。

ことのはじまりは深夜にたびたび耳にする奇声だった。
私は最初、パーティ帰りの近隣住民が酔っ払いすぎて叫んでいるのだと思ってそこまで気にしていなかった。

しかしこの奇声が近隣住民ではなく、ルームメイトのものであることに気付くのにそこまで時間はかからなかった。カップルのうちの1人が奇声の張本人であった。

ある日、深夜の2時ごろ帰宅した彼は部屋に入るやいなや大きな声で泣き始めた。
悲鳴という表現が正確かもしれない。近隣の住民がわざわざ下に様子を見にくるほど大きな声だったからである。

彼は悲鳴をあげるだけではなく、壁を強く叩いた。
リビングルームのベッドで寝ていた私は大きな音にびっくりし、隣で寝ていた別のルームメイトに小さな声で話しかけた。

“Is he okay?”

彼も険しい顔で何が起きているのか理解できない様子だった。

ドアを開ける大きな音が聞こえた。その強烈な音と同時に悲鳴の張本人が外に走りさっていった。繰り返すがこれは夜中の2時の出来事である。

翌日、何があったのかをカップルの片割れに聞いた。

どうやら昨晩悲鳴をあげていた彼は精神的に不安定になることがあり、感情が昂ぶると大きな悲鳴をあげたりするらしい。

日中の彼を見ていると、全くそうは見えないので私は驚いた。

そして後ほど本人と話をする機会があり聞いてみると、ドラッグ常用者であることが判明した。夜中にお酒やドラッグを大量に摂取すると、自分の感情をコントロールできなくなるらしい。

私は正直、かなり怖かった。

これが1度や2度ならいい、これが定期的に続くようになったからである。

それに加えて、身の回りのものがなくなるようになった。

同じリビングルームで暮らしていたもう1人はすぐに引越しをした。
私もすぐにでも引越しをしたかった。

しかしその時、不運にもお金がなかった。圧倒的に金欠で親から生活費を貸してもらって、なんとか生活をしている状況だった。

そんな状況で費用がかかることはなるべく避けたかった。

最終的には就職先が決まるまでの数ヶ月の間、そこで生活していた。

1日のほとんどは用事もないのに、外に出かけてなるべく家にいないようにしていた。

夜は奇声を聞かないように、ノイズキャンセラーのイヤホンで音楽を聴きながら寝る毎日だた。耳が痛くなることもあったし、毎晩音楽をイヤホンで聴きながら寝ていたので、だいぶ耳が悪くなったと思う。

この部屋を引越した後、幸いにも良いルームメイトで出会うことができ、奇声に悩まされることもなくなった。

振り返ってみてみると、ルームシェアはホームステイよりも安い、歳の近い友人もできる。ただ、日本にいると想像できないような人物と一つ屋根の下で生活しないといけないこともある。ルームシェアは慎重に選ぶことをおすすめする。

(カナダ生活編おわり。就職活動編につづく)

Lesson Learned #8 (バンクーバーとローカル事情)

今回は少しバンクーバーのリアルな話をご紹介しました。

2018年10月17日からマリファナが合法化されたことからもわかるように、バンクーバーでは趣向品としてドラッグを服用している人をたまに見かけることがあります。例えばナイトクラブにて盛り上がるために服用するなど、日本人にとってのお酒と同じような位置付けで服用したというケースを耳にします。(もちろんドラッグの服用は違法ですし、私はドラッグを服用しません。)

ルームシェアをすると、良いも悪いもこういったローカルな一面を目の当たりにすることになります。今回はドラッグの話ですが、それ以外にもレイシストな話など耳にしたくないような話を聞くこともあるかもしれません。バンクーバーはリベラルな考え方の人が多いですが、保守的な考え方の人も一定数存在します。

そうなった時に過度に反応せずに、一歩引いて冷静に対処することをおすすめします。
同居するのが耐えられなければ、私のように部屋を出るなど対処法はいくつでもあります。

念のため誤解を避けるために2点補足すると、

まず本編で紹介したルームメイトは過度にドラッグを服用しすぎると精神不安定になりますが、昼間はフレンドリーな気の良い若者です。私はドラッグ常用者 = 絶対悪とは思いません。夜に奇声を上げたり、物を盗んでなければ、その部屋を出て行くことはなかったかもしれません。

次にこの部屋を出た後、また別のルームシェアをしました。
こちらはむしろ親切なカナダ人の若者で色々バンクーバーのローカル事情を教えてくれたり、ご飯に連れてってくれたりなど親切にしてくれました。ルームシェア = 上記で紹介したような話になるということは決してありません。たまたま私のクジ運が悪かったと考えてください。

私はホームステイが窮屈でストレスでした。ルームシェアに移ったのは今でも正解だと思います。ただでさえ慣れない英語で神経を使っていると思うので、ストレスを感じたら我慢せずに次のステップを踏むことをオススメします。

[その他のストーリー]
第0話: カナダのマーケター海外就職ストーリー
第1話: カナダ渡航と立ちはだかる壁
第2話: 目標額170万円、地獄のフリーランス体験
第3話: カナダ渡航1ヶ月前、英語学習の開始と思わぬ見落とし
第4話: カナダ到着。不安だらけの1日
第5話: 学校生活初日。長い4ヶ月の始まり。
第6話: 26歳の実践日常英語学習法 [海外ドラマ活用]
第7話: 学校生活、苛立ち、次なるステップ
第9話: ボランティア活動への挑戦、意気込みと現実
第10話: ワークショップへの参加、資金不足、フリーランスへの道
第11話: 就職活動、図書館、不安と希望の光
第12話: 折れそうな気持ち、迷走、出した結論
第13話: 面接と “We’ll be In touch!”の先にあるもの
第14話: 入社早々、炎上プロジェクト、意思表示
第15話: 英語ブログ開始、そのわけ
第16話: バンクーバー、納期、It should be fine.
第17話: 辞めていく同僚、身の丈にあった給料

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