“It should be good.” “It should be fine.”
「これで大丈夫?」と聞いた時に、返ってくるセリフである。
カナダ人が大好きなフレーズで、日本語に直すと「いけるはず!」
このセリフが返ってくるときは大抵ロクに確認せず、二つ返事で「大丈夫、大丈夫」と言っていることが多い。
しかし納期直前になると、私のタスクをやるにはアレとコレが必要だった。だから納期に遅れた。私は悪くない。ということが度々あった。
それの確認をするために聞いたのだが、伝わっていなかったようだ。
35歳を過ぎた自称プロフェッショナルがこう言うのだからとても呆れた。
日本で一般的な就職活動をして、新卒で会社に入って、一般的な社員教育を受けて仕事をやってきた人でこんなことをいう人はいないだろうと思う。改めて、日本社会のきっちりさを目の当たりにした。
しかし、話はここで終わらない。
あとあと気づいたのだが、カナダ社会、少なくともバンクーバー社会では、こういう事はそこまで大きな問題にならないように感じた。
その理由を推察するに、カナダ社会はこういう人ばかりで成り立っているので、納期に関しては日本よりはるかに寛容なのだ。(もちろん、そうじゃない人もいる)
基本的には間に合わなかったものは仕方ないというスタンスで、じゃあいつ提出できるのか?という話になる。間に合わなかった理由をグチグチ聞いてくる人は今まで見たことがない。
では、納期を守ることは意味がないかというと決してそんなことはない。
納期は日本のように命をかけても守るモノではないというだけで、毎回しっかり納期に間に合わせることは評価される。なので、周りが納期に緩いからという理由で、自分もそれに合わせて納期を守らない理由にはならない。
事実、私に任せれば何が何でも必ず納期を守ってくれるので安心、とよくいってもらった
外国人として、英語面ではもちろんビザの面でも現地社員より、かなり不利な状況にいることを忘れてはいけない。こういう小さいことの積み重ねが重要だと思う。
(つづく)
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