実際にフリーランスとして活動を開始すると有難くもすぐに引き合いを頂き、開始2ヶ月目には、目標額達成の見通しがたった。

仕事自体を見つけるのはうまくいったが、それをこなすことが問題だった。

私が当時、受けていた仕事のほとんどがコンテンツ制作である。

当時はコンテンツSEOの黎明期であり、各社が躍起になってコンテンツ制作に力を入れていた。外部リンク過重の手法やGoogleのBotを欺くための中身のないコンテンツ制作が見直され、Googleに評価されるクオリティの高いコンテンツを作ることにシフトしている時期だった。

そういう潮流もあり、コンテンツの制作が受注する仕事の大部分を占めていた。

また運用型のサービスを提供するよりも、こうしたコンテンツ制作業務の方が短期でまとまったお金が入るので当時の私のニーズに合致していた。

コンテンツ制作作業は基本的にアウトソースし、コンテンツ制作の提案・ディレクション業務を行うというのが私の業務であった。

おそらく業務の横流しをしているだけで楽そうに聞こえるかもしれない。しかしこの仕事はとても過酷だった。

クライアントから仕事を受けている私の立場としてはいい加減のものは出せない。全てのコンテンツに目を通して、的確にアウトソース先にフィードバックを出し、求められるクオリティが担保されて初めてクライアントに提出するためである。

多いときは2-3日で数百記事の校正をしないといけない時もあり、1日中上がってきたコンテンツを見ていると文字が浮いて見えたこともあった。

なぜ、そこまで大量のコンテンツ制作をしなければいけないかというと、
当時はコンテンツ制作はSEOの延長という考え方が根強く、各社出せる予算が少なかったためである。

単価が安いので、売上をつくるためには数をこなさないといけない。
そこで納期を短く設定し数をこなそうとする。
そうすると日夜記事の校正作業に追われて、パンク寸前の状態になる。
そんな折、クライアントに以前納品したコンテンツのフィードバックが返ってくる。
事前の意思疎通がうまくいかず全部やり直し。こうなると本当に手がつけられない状態に陥る。

こういった状況でクライアントとだけでなく、アウトソース先の会社と揉めることも多々あった。

無理な納期をお願いしたり、依頼内容に見合う対価を提供できていなかったのが原因。
構造的に無理を孕んでいるまま、無理に突き進もうとしていたように思う。今振り返ると本当に申し訳ないことをしたと思う。

こういう状況で葛藤しながら、最終的に5社と取引をさせていただき、無事に目標の170万円を貯めることに成功した。

当時、信用もない私に仕事をくれたこの5社にはあらためて感謝をしたい。

(つづく)

Lesson Learned # 2 (発注者と受注者の関係)
2年ほど前に The 3 Worst Mistakes That Devastated My Marketing Projects というタイトルでブログポストを書きました。

そこで「もしあなたがサービスベンダーを人として見ないのであれば、向こうもあなたを人として見てくれませんよ。」という趣旨のことを書きました。

当時の私はベンダーのことなど考える余裕がなく、ひたすらにコキつかっていたように記憶しています。それが原因で当時付き合いのあったベンダーとは一切連絡を取っていませんし、連絡しても無視されるだろうと思います。

雇う側の心理としてはできるだけ安い金額で多くのことをやってもらいたいと思うのが当たり前ですが、それも限度を越すと大事な時にベンダーに逃げられて悲惨な事態を招く危険があります。

カナダでは発注者と受注者の地位はほぼ対等で、理に適わないことやフェアでないことを無理強いし続けると逆に受注者側から相手にされなくなります。こういうことを繰り返すと何でもいいからとにかく仕事が欲しい経験が浅い会社かフリーランスに仕事を依頼せざるを得なくなり、上がってくる成果物の質は期待できません。

私は個人的にこれがあるべき姿だと思うし、おかげで発注者・受注者の関係が良好であることが多いです。私も誰かに何かお願いするときは内容に見合った費用、それがわからない場合は向こうの提示金額に『極力』従うようにしています。向こうの提示金額を払えなければ発注しない、それくらいシンプルでいいのではと思います。

結論、発注者側は受注者を同じヒトとして対等に接することをおすすめします。
でないと周りに人がいなくなります。

[その他のストーリー]
第0話: カナダのマーケター海外就職ストーリー
第1話: カナダ渡航と立ちはだかる壁
第3話: カナダ渡航1ヶ月前、英語学習の開始と思わぬ見落とし
第4話: カナダ到着。不安だらけの1日
第5話: 学校生活初日。長い4ヶ月の始まり。
第6話: 26歳の実践日常英語学習法 [海外ドラマ活用]
第7話: 学校生活、苛立ち、次なるステップ
第8話: ホームステイからの脱出、ルームシェアと恐怖の夜
第9話: ボランティア活動への挑戦、意気込みと現実
第10話: ワークショップへの参加、資金不足、フリーランスへの道
第11話: 就職活動、図書館、不安と希望の光
第12話: 折れそうな気持ち、迷走、出した結論
第13話: 面接と “We’ll be In touch!”の先にあるもの