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第17話: 辞めていく同僚、身の丈にあった給料 | カナダのデジタルマーケター海外就職ストーリー

第17話: 辞めていく同僚、身の丈にあった給料 | カナダのデジタルマーケター海外就職ストーリー

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会社に入社してから1ヶ月経って気づいたことがある。それは、辞めていく社員の多さである。

バンクーバーには Probation Period (試用期間)が3ヶ月ほどあり、その間であれば自由に解雇ができるようになっている。とにかく雇ってみてダメならクビにできる。双方の食い違いを防ぐことができるので素晴らしい制度だと個人的には思う。

私が入社して1ヶ月、すでに4名が会社を離れていった。
当時、会社全体で10名程度のチームだったことを考えると、この数が少なくないことはおかり頂けると思う。

退職理由は人によって様々だが、ある一つの共通点があった。
それは『給料の高さ』である。

退職した同僚に話を聞いていると、給料の要求額が高いとクビにされる確率がグッと上がるように感じた。

これは雇われる側の仕事のパフォーマンスの問題だけではなく、雇う側が持て余してしまうのも原因の一つだ。例えば、小さいマーケティングエージェンシーでスター級のデザイナーを雇っても、それに見合う金額の仕事はなかなかすぐに取れない。

エージェンシーが成長して、スター級のデザイナーを最大限活かせるプロジェクトを取れるようになるまで、どうしても時間がかかってしまう。その間はエージェンシー側の持ち出しでなんとかカバーするしかない。

キャッシュフローが不安定なスモールビジネスだとこれがなかなかできない。結果、成長を待たずに解雇という決断を下すケースもある。事前にしっかり雇用計画を立てれば良いのだろうが、それができているバンクーバーのスモールビジネスはなかなかいないと感じた。

当初、私の給料の要求額はかなり低かった。
その額とは雇い主側も驚くほど低く、その辺のアルバイトとそこまで大差ない金額だった。

要求額が低い理由としては、まず1つに何が何でも現地の会社でマーケティング職につきたかったためだ。別にお金稼ぎではなく、経験を積むためにカナダに来たのであって、最低限の生活ができる金額であれば文句はなかった。

もう1つの理由は自分が提供できる価値の低さである。
当時、ろくに英語も喋れない + バンクーバーでの経験がない私が提供できる価値は圧倒的に低いと考えていた。その状況で周りの人と同じ額の給料をもらうというのは気がひけた。

給料は結果を出せるようになれば交渉しよう。まず大事なのはスタートラインに立つことだ。そう考え低い金額を要求した。

これが結果的に良かったと思う。

私が入社した当初、エージェンシーの売上はなかなか安定せず、予期せずプロジェクトがキャンセルされることもあった。それが原因で給料の支払いが遅らせたり、コストカットをしてなんとか会社のキャッシュを回すので精一杯な状況だった。

“Can you come to work early tomorrow?”

このセリフを聞かされるたびに背筋が凍った。
クビを言い渡されるのでは?と不安だったからである。

ある日、呼び出された時に「クビにされると思った」と正直に伝えたことがあった。
クビの原因が資金繰りなのであれば、パートタイムやボランティアでもいいからとにかく会社で働き続けたいと思ったからだ。

それに対して、笑いながら言われたのは、私に支払っている給料額は大したことないので、クビにしてもそこまで変わらない。だからクビにしない。ということを言われた。

仕事を続行できることがわかり嬉しい反面、まだこの会社に貢献できていないと再確認した瞬間でもあった。

この後、幸いにも成果を出すことができ、私の給料も堅調に上がり、ボーナスをもらえることもあった。

今振り返っても入社当初の要求額が高かったら、早々にクビになっていたかもしれない。
自分の価値に見合った金額を提示することの重要性を学んだのであった

(つづく?)

Lesson Learned #17 (昇給と転職)

今回は身の丈にあった給料を提示することの大切さを説明しました。

私は幸いにも仕事ぶりを評価してもらい、何度も昇給してもらうことができました。
しかし、他の人の話を聞くとこれが当たり前ではないことがわかりました。

バンクーバーでは同じ組織内で何度も昇給するのは一般的ではなく、転職のタイミングで給料の額をグッと上げるのが一般的だそうです。転職して年収が倍になったという話も聞いたことがあります。

そう考えると、今後の昇給を期待して最初の給料の要求額を下げるというのはあまり得策ではありません。経験値 + 良い給料も欲しいという場合は、多少リスクを背負ってでも高い金額を提示するか、今後、転職を視野に入れて行動する必要があるかと思います。

お知らせ

中途半端ですが一旦、私の海外就職ストーリーはここでストップとさせていただきます。
ある程度需要があれば再度執筆しますので、興味のある人は以下のGoogle Formから、Voteしてください。

[参考: 執筆予定だった内容例]
– 採用する側に回った時の話
– 初めはNO!と言われていた就労ビザのスポンサーをしてもらった時の話

[その他のストーリー]
第0話: カナダのマーケター海外就職ストーリー
第1話: カナダ渡航と立ちはだかる壁
第2話: 目標額170万円、地獄のフリーランス体験
第3話: カナダ渡航1ヶ月前、英語学習の開始と思わぬ見落とし
第4話: カナダ到着。不安だらけの1日
第5話: 学校生活初日。長い4ヶ月の始まり。
第6話: 26歳の実践日常英語学習法 [海外ドラマ活用]
第7話: 学校生活、苛立ち、次なるステップ
第8話: ホームステイからの脱出、ルームシェアと恐怖の夜
第9話: ボランティア活動への挑戦、意気込みと現実
第10話: ワークショップへの参加、資金不足、フリーランスへの道
第11話: 就職活動、図書館、不安と希望の光
第12話: 折れそうな気持ち、迷走、出した結論
第13話: 面接と “We’ll be In touch!”の先にあるもの
第14話: 入社早々、炎上プロジェクト、意思表示
第15話: 英語ブログ開始、そのわけ
第16話: バンクーバー、納期、It should be fine.

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