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TOEIC450点から4ヶ月で北米就職した経験者が語る海外就職に失敗する3つの理由

TOEIC450点から4ヶ月で北米就職した経験者が語る海外就職に失敗する3つの理由

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今回はなぜ多くの人が海外就職に失敗する理由3つをご紹介したいと思います。

もう2年以上も前のことですが、英語0から4ヶ月でマーケターとして海外の現地企業に就職することができました。どれくらい英語ができなかったと言うとTOEIC450点、How’s it going?て言われても聞き取れないレベルでした。実は日本人の多いバンクーバー(カナダ)ですが、周りを見渡してもマーケターとして活躍している日本人の方はあまり見かけません。

そういう背景もあり、細々と運営しているこのブログや、バンクーバーにいる友人経由で相談されることがあります。

そこで、どうすれば海外就職できるか?ということを聞かれます。

特に海外就職のために何をすればいいか、どれくらい英語力が必要か、職務経験はどれくらいあればいいか、どの学校を選べばいいか、どうすればコネを作れるか、いやむしろコネくださいくらいまで聞かれます(ありません)

例えば自分の経験を元に、就職当時の状況を振り返ると
– 渡航時の英語力は皆無、ゼロに等しい
– 日本での職務経験は3 – 4年くらい(スキルを定量化するのが難しいのでとりあえず年数)
– バンクーバーで就職に繋がるコネクションは無し
– バンクーバーでは語学学校にあるマーケティング系のコースに通ったが、あくまで語学中心の学校

この程度のスペックと少しの運で就職が決まりました。

海外就職に来ている社会人の方々は正直ほとんどの要件を満たしています。
ではなぜ失敗する人が出てしまうのか?

相談を受けた経験上、大きく分けて下記3つが考えられるかと思います。
1. プライドを捨てきれない
2. そもそもそんなに行動してない
3. 周りの言う事をなんでも信用しすぎる

今回は失敗の理由について詳しく説明していきます。

※海外就職の具体的な方法を知りたい方は[海外就職完全ガイド] 就職活動の方法からビザの計画の立て方までを参考にしてください。

※カナダへの渡航準備から就職活動、そしてマーケティングエージェンシーで働いた経験全てをストーリーにまとめました。カナダのマーケター海外就職ストーリー

プライドを捨てきれない

プライドを捨てきれない・・・これは特に英語が喋れないケースで重要です。

社会人を経験すると成功体験も増え自意識が強くなります。
知らず知らずのうちに、ある一定レベルの扱いを受けることに慣れてしまっています。

英語力0で海外に来て初めに気付くのは、そこをはるかに下回る扱いを受けること。
大体のイメージとしては2歳児レベルの扱いを受けることになります。

2歳児の扱いを受けるとはどういうものか?

2歳児の子どもが何か一生懸命伝えようとしているけど、説明の仕方がわからずに知っている単語とボディランゲージを並べて、なんとか言いたいことを伝えようとしている状態を想像してみましょう。

周りにいる大人たちは毎回毎回、それに耳を傾けようとするでしょうか?

ほとんどの人は笑います。

それが忙しい時の場合「何言ってんのかわかんない」と言って冷たくあしらうかもしれません。
2歳児ならまだ寛大な心で聞いてくれる人もいるかもしれませんが、ましてや自分たちは見かけは大人なのでバカにされます。

言語レベルがその人の価値ではありませんが、残念ながら、ほとんどの人はそういう見方をします。

個人的な体験談でいうと、1ヶ月目でホームステイ先のルームメイトや、学校の友達、ボンボンのスネかじり息子みたいな人にもバカにされることが多々ありました。私が何か言葉を発するたびに、呆れた顔をされて、「全く話にならない」みたいな顔をされたのを覚えています。

正直かなりストレスが溜まりました。

言葉が話せない、通じないのは想像以上のストレスです。特に社会人の自意識を持った状態だとなおさらです。

どこかでプライドを捨てきれないと、上記のような扱いを受けたときに英語自体にネガティブな感情を抱き始め、萎縮します。

その後、英語 = 辛いもの、日本語 = 安心できるものという構図が出来上がり、できるだけ英語を遠ざけようとしてしまいます。

そうなると英語で何をするのもいちいち辛くなり、海外就職なんてむしろ地獄・・・というメンタリティになってしまいます。

そもそもそんなに行動してない 

次のポイントは実は自分が思っているほど行動していないという話。

冒頭で簡単に触れましたが、ほとんどの海外就職を狙ってきている方々はけっこうスペックが高いです(特に日本人のクリエイター周りの方々は持っているスキルのレベル高いです。)

例えば学生時代他の国に留学していた、仕事の関係で海外支社とやり取りしていた、どっかの企業で大きな案件を回していたなどなど
ただし、そんなハイスペックな人たちであったとしても下記のように感じている人が多いです。

– 就職のためには英語力がまだまだ足りない
– 自分のスキルはそんなに大したことない
– たとえ入社したとしても、入社した後、うまくやっていけるか不安・・・。

謙虚なのは素晴らしいことなんですが、就職活動の段階になると自信を持って大胆にいく必要があります。頭の中を不安と雑念だらけにしてしまうと、そもそも行動の母数が減ってしまいます。

例えば、Aというアプローチで3件レジュメ送ってダメだったという場合。
そもそも3件だと良かったかどうかも判断できません。たまたま見られなかった可能性もあるし、そのレジュメを送った日たまたま担当の人がビールを飲んでて知らず知らずの内に飛ばされてしまった可能性もあります。たまたまその時期、似たような職種の応募が多くてレジュメの山に埋もれてしまう場合もあります。

頭を使って戦略的にアプローチするのはとても重要ですが、それと同じくらい(もしくはそれ以上に)行動量は重要です。

毎回毎回何かするたびに「やっぱりこのやり方じゃダメなんじゃないか・・・。」と考えてしまうとなかなか先に進みません。

所詮それらは根拠のない推測。どこかの当てにならない噂に惑わされているだけにすぎません。

一度この方法で行くと決めたら、とりあえず件数をこなす。それが終わるまでそのことについて考えない。件数こなしたらまた考え直すの繰り返し(いわゆるPDCA)をしっかりこなしましょう。

実は大企業の方がビザを出すのを嫌がる、トロントは求人数が多いけどバンクーバーからだと全くかすりもしないなど、行動しているからこそ見えてくることもたくさんあります。

皆さん自分が思っているほど行動していません。行動しましょう。
  

周りの言う事を何でも信用しすぎる

例えば、1つの例で留学エージェンシー。

正直、留学エージェンシーにもよると思いますが、私の職種(マーケティング周り)の就職状況に詳しい人はほとんどいません。

「まずは英語力を身につけるまで他のアルバイトをして経験を積むしかないですね・・・。」

これはよく言われました。

ただマーケティングのことを知らない留学エージェンシーからすると、マーケティング -> なんとなく就職難しそうというイメージで、まずは英語力!という風にアドバイスをするのは納得ができます。根拠のないむちゃくちゃなアドバイスをする訳にもいきません。

何を隠そう、私もこのアドバイスに流されそうになったうちの1人です笑。

今の会社に就職が決まる直前、なかなか就職が決まらずに資金も底が着きそうだったので、現地にある日本の会社のオフィスワークの求人に応募しました。

悩んだ末、条件面で少し合わなかったのとバンクーバー生活を延長できても本来の目的とはズレると考え最終的に断りました。もしその会社に入っていたら今の会社に入れていたかわかりません。

なぜなら仮のつもりで決まった会社に長居すると居心地がよくなってしまい、なかなか抜け出し辛くなるためです。どうしても就職活動は二の次になってしまい、働きながら就職先を探すのはとても忍耐と根気が必要になります。

結果的にはこの求人を断った後、1-2週間後に無事就職がきまりました。

もちろんこれは留学エージェンシーだけの話ではなく、ウェブ上に転がっている誰が書いたかわからないような記事(例えばこの記事)でも同じことが言えます。周りの人の言う事にいちいち惑わされず自分を信じて自身で考えて就職に向けて動きましょう。

誤解のないように注釈: 留学エージェンシーは現地生活を送る上でとても頼りになる存在です。今回言いたかったのは留学エージェンシーの言っていることを全部鵜呑みにしてやっていると海外就職失敗するよということです。

まとめ

今回はよく見かける海外就職に失敗する原因3つをあげました。

正直に言うと、私自身、海外の会社を数社渡り歩いたことがあるような海外就職のスペシャリストではありません。このブログで書いたこともおそらく間違っていることもあるかもしれません。

海外就職は簡単ではありませんが、その価値はあります。思い描いている海外就職実現のためにどうするかだけを考えましょう。

追記: 英語がペラペラ喋れる周りの人よりもあなたの方が100倍すごい

プライドがどうとかのところで現地の人にバカにされるよって話をしましたが、その番外編。 

よく現地の人(バンクーバー)と喋っていると意外とバンクーバーの外にでることを躊躇している人が多い点に気付きます。
英語が母国語なのに関わらず、トロントもしくはアメリカに移住するのはかなりの挑戦だ(※トランプの出来事の前です)という話もちらほら出てきます。

君ら英語喋れるんだから大丈夫では?とツッコミを入れたくなりますが・・・問題は言語ではなく、仲の良い友達・コミュニティを離れるのが嫌というのが理由だそうです。その点、私たちは地理的な問題だけではなく、言語、文化の違いもある中で頑張っています。

そう考えると、その辺のプラプラしている現地人よりも、言語の壁を飛び越えて大きな一歩を踏み出した人の方が100倍大変なことにチャレンジしていると思いますし、そのことを誇りにすべきです。

前述したように、残念ながら言語レベルをもとに人の価値を判断する人がほとんどです。

ただ、英語がペラペラ喋れる現地人よりも私たちの方が100倍すごいことに挑戦しているということを忘れないようにしましょう 🙂

追記 2: 海外就職成功のポイントをまとめた本を書きました

聞かれることが多かった、海外(北米)での留学と現地企業での就職の方法をまとめたKindle本を書きました。

私はカナダに渡航して4ヶ月後、英語力ゼロの状態からローカルのマーケティング会社へ就職、その後就労ビザのサポートも受けることができました
本書はその経験をもとに、英語ができなくてもマーケターとして北米の現地企業で就職できることを示すために執筆しました。英語が苦手な人が就職するためにどのようにアプローチすべきか体験談ベースでまとめましたので参考にしてください。詳しくはこちら

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