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第12話: 折れそうな気持ち、迷走、出した結論 | カナダのデジタルマーケター海外就職ストーリー

第12話: 折れそうな気持ち、迷走、出した結論 | カナダのデジタルマーケター海外就職ストーリー

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「またこれか」

私はあるメールを見ながら、カナダ人という人種は本当に信用できないと呆れかえっていた。これは怒りを通り越した呆れである。

前回内定をくれたところが、やはりなかったことにして欲しいと言ってきたのである。

以前のフリーランスの時の話も合わせると、これで2回目である。
こんなことが2度も続くと、カナダ人全体の倫理性を疑わざるを得ない。

こうしてRacist (人種差別主義者) はできあがるのか・・・いやカナダは多民族国家だったから人種にはあたらないか・・・とどうでもいいことを考えていた。

もしこのタイミングでカナダを離れていたら「カナダ人 = いい加減で信用できない人種」として生涯誤解したままでいただろうと思う。

一度、就職が決まったと思った後に、図書館生活に逆戻りするのは辛かった。

低い英語力、1年の就労許可しかないビザ

こんな状況の私の相手にしてくれるのは、いい加減で無責任な個人か零細企業しかいないのではないか?そもそも無事就職したしても、こんな英語力で実務をこなせるのだろうか?

様々な不安が頭を埋め尽くした。

押しつぶされそうな不安を遮り、日課であった求人への応募を続けた。
これをやめると、完全に希望がなくなってしまう。動き続けることが唯一の救いだった。

ある日、私の目にある求人が飛び込んだ。

バンクーバーにある日系企業の求人だった。
求人の内容は簡単な事務。しかもパートタイムの求人だった。

この頃の私は資金が底をつき、親から生活費を借りている状態だった。

「とりあえず、自分の生活費くらいは自分で稼がないといけない。」

そう思って、まずは簡単に決まりそうな仕事をやるべきでは?と真剣に考えていた。
パートタイムで当面の生活費を稼ぎつつ、引き続き就職活動を続ける。これが今のベストではないかと考えていた。

そんな中、上記の事務の仕事は理想の求人だった。

とりあえず、応募だけしてみるかと思い早速レジュメを送信。
すぐに返事をもらい、面接することになった。

業務内容は簡単なもので、正直スキルも何も必要ない。
パソコンが使えれば誰でもできるような内容だった。

面接後、即採用が決まった。

ただ条件面で話がまとまらず、話がこじれた。

私は就職活動の時間を残しておきたかったので週2回を希望した。
しかし、先方は最低でも週4回入れる人を採用したいとのことだった。

週4回も入ると就職活動に差し支える。そして、その会社に一度入ると安心して就職活動を頑張らなくなるのではないかという不安もあった。

私は悩んだ。心の底から悩んだ。

特にスキルも何も身につかないところで働きつつ、バンクーバーの滞在を延長させることに意味はあるのか?それなら、いっそ日本に帰国して、別の道を模索した方が良いのではないか?

同じ質問が頭の中をグルグル回った。

3日ほど悩んだ末、私が出した結論は ”No” だった。この求人を断ることにしたのだ。

腹を決めた私は、引き続き求人の応募を続けた。

このまま就職できずに日本に帰国したら完全な負け犬で終わるなと思った。
それでも、ずるずるとバンクーバーに居続けるよりはましかと思うことにした。

そして1週間後、私はある求人を目にする。

応募内容はSEOとPPC広告の運用スペシャリスト。
募集しているのはバンクーバーローカルのマーケティングエージェンシー。

サイトを見てみると、ビデオプロダクション、グラフィックデザイン、ブランディングなどいわゆるクリエイティブが主体のエージェンシーだった。

メンバーはチャイニーズ系のアジア人が9割。
名前を見ると日本人は誰もいないことがわかった。

私はこの求人を見た時、応募するか迷った。
PPC広告の運用経験があまりなかったからである。

しかし雇うかどうかは向こうが決めることであって、私が決めることではない。ダメなら返事がこないだけ、そう思って求人に応募した。

この小さな決断が、後にバンクーバーに渡航してから最良の選択だったと気づくことになるのである。

(つづく)

Lesson Learned #12: 繋ぎの仕事

就職活動が長引くと、とりあえず簡単に就ける仕事を見つけて、時間稼ぎをしなければと考えるようになります。

その理由は、単に生活資金を確保する必要性だけではありません。
現地のどの会社にも必要とされていないのではという不安の現れでもあります。

毎日黙々と求人に応募し続ける。
うまくいったと思っても、また振り出しに戻る。
これらは想像以上にストレスでした。

ましてや今まで英語で仕事なんてしたこともないので、
たとえ就職できても実際に仕事をこなせるのかなど、いらぬ心配ばかりをしてしまいます。

そして、どんどん弱気になっていき、身動きがとりづらくなる。
その結果が手を伸ばせば就ける簡単な仕事です。

社会人にもなって、家族から資金援助をしてもらって生活するのは格好のいいものではありません。ただ、このときのつなぎの仕事を断った決断は正しかったと今でも思います。

目標までの道筋が見えない時は、色々不安に思うことはあっても、とにかく脇目も振らず前進し続ける。スマートではありませんが、これしか方法はないのかなと思います。

[その他のストーリー]
第0話: カナダのマーケター海外就職ストーリー
第1話: カナダ渡航と立ちはだかる壁
第2話: 目標額170万円、地獄のフリーランス体験
第3話: カナダ渡航1ヶ月前、英語学習の開始と思わぬ見落とし
第4話: カナダ到着。不安だらけの1日
第5話: 学校生活初日。長い4ヶ月の始まり。
第6話: 26歳の実践日常英語学習法 [海外ドラマ活用]
第7話: 学校生活、苛立ち、次なるステップ
第8話: ホームステイからの脱出、ルームシェアと恐怖の夜
第9話: ボランティア活動への挑戦、意気込みと現実
第10話: ワークショップへの参加、資金不足、フリーランスへの道
第11話: 就職活動、図書館、不安と希望の光
第13話: 面接と “We’ll be In touch!”の先にあるもの
第14話: 入社早々、炎上プロジェクト、意思表示
第15話: 英語ブログ開始、そのわけ
第16話: バンクーバー、納期、It should be fine.
第17話: 辞めていく同僚、身の丈にあった給料

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