インタビュー , 北米進出

Eco Town (ハードオフ) ハワイとカリフォルニア進出の全て

Eco Town (ハードオフ) ハワイとカリフォルニア進出の全て

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今回は、ハードオフ米国法人であるEco TownのCOOの山崎さんにインタビューさせていただきました。山崎さん主導でこれまでハワイにアメリカ1号店を出店し、成功を収め、現在はアメリカの西海岸、カリフォルニアに進出し2019年の11月にはカリフォルニアの2号店を出店する計画です。

インタビュー記事1つ目では、米国法人Eco Townとしてハワイとカリフォルニア進出を果たしたお話をご紹介していきます。

Profile:

山崎 貴明: 大学卒業後、中古品リユース販売業「ハードオフコーポレーション」の一業態である「OFF・HOUSE」にて店長・統括店長としてマネジメントの経験を積む。海外進出における子会社の設立から携わり、2017年4月に海外進出1号店「ECO TOWN」をハワイにオープン。現在はCOO として、店舗運営から人材マネジメント、海外ビジネス拡大に向けた新店舗の立ち上げ等幅広い業務を統括している。

「Eco Town (ハードオフ) ハワイとカリフォルニア進出の全て | Eco Town COO 山崎さんインタビュー #1」

(※以下の記事はインタビューのハイライトです。)

アメリカ進出一号店としてハワイに進出した理由とは?

野村:
アメリカ進出一号店としてハワイに進出した理由について教えて頂けますか?

山崎さん
本社のハードオフが2030年までに1,500店舗を目指すという長期目標を掲げているんです。現時点で900店舗あります。

日本の市場もまだまだポテンシャルがあるのですが、「シュリンク(縮小)していく日本よりも海外に目を向けていこう」という方針で、2-3年前から海外に目を向けはじめました。

その中で、ガレージセール(※家の軒先で不要になったものを販売する事)などリサイクル文化が日本と同様に根強いアメリカに目を向けたんです。

アメリカでは買取ではなく、ドネーション(寄付)が一般的で、寄付されたアイテムを販売する店舗が街に2-3軒ある、というような状況ですね。

私たちのように家庭にある全ての物を買取して、販売するというお店が未だにないので、そこに高いポテンシャルを感じてアメリカへの出店を決めました。

野村:
なぜハワイだったのでしょうか?

山崎さん
私たちの出展基準の中に「人の出入りがある場所かどうか」という項目があります。

リサイクル業なので引越など人の移動がある時に需要が生まれるんですね。出て行く際は「売りたい」、入ってくる際には「中古でなるべく安く揃えたい」というニーズです。

その点で人の出入りが多いハワイに目をつけました。

さらにもう一つ理由があります。今はインターネットでのビジネスが盛んになっていて、実際の店舗を持つ小売業がAmazonに顧客を奪われている状況です。

ただハワイに関しては少し例外的な部分があり、Amazonでも配送に1週間かかります。会社によってはハワイへの配送を行っていないなど、島国ならではの特殊な一面があるんです。

これらの理由で、ハワイは私たちの掲げる出店条件を満たしていたのですが、それに加えて「縁があった」という部分もありますね。

ハードオフでは、元々フランチャイズビジネスをやっています。海外進出を強化するというプレスリリースを出した時にハワイにいる方から「フランチャイズでやらせてくれないか?」というお声掛けを頂いたんです。

我々としては「現場でノウハウを提供せずに、フランチャイズのロイヤリティだけを頂くのはあり得ない」という事で、直営店としてハワイに出店することにしました。

日本とアメリカでのお客さんの反応の違いとは?

野村:
日本とアメリカで、お客さんの反応などに違いはありましたか?

山崎さん
すごくありました。まずハワイでもカルフォルニアでも「感動を表現してくれるという事」です。

私たちの会社は「中古品だけど綺麗なものを販売する」「接客も提供する」というコンセプトを掲げています。

日本だとかなり当たり前な発想ですよね。今はどこのリユースショップに行っても綺麗な商品が手に入るのが当たり前ですし。

日本では店員もお客様も「当たり前」と思う基準が高いと感じます。ただアメリカでそれを提供すると、皆さんとても驚かれます。お店に入ってきた瞬間に「Awesome!」「Amazing!」とか言ってくれるんですよ。笑

接客に関しても「このお店は挨拶が最高だから、いつ来ても気持ち良い!」と言ってくれますね。

アメリカでは、リユースショップはたくさんありますが、良い商品を整った陳列で、しかも接客付きで提供するお店はほぼありません。あっても「洋服だけ」などジャンルが限られてきます。

野村:
なるほど。

山崎さん
機械や家電を扱うお店もありますが、提供者からのドネーションなので「保証」がないんです。壊れていても基本的に返品は出来ません。

私たちの場合は、機械類に関しては動くかどうかのチェックをして、「保証」をつけて店頭に出しています。その点は非常に評判が良いですね。

日本のリユースショップでは当たり前に行われていることでも、海外では誇れるサービスなんだという事が良くわかりました。

日本とアメリカでのビジネス慣習の違い

野村:
裏側の話をお聞きしたいのですが、ビジネス慣習の違いは感じましたか?例えば「期日を守らない」などの話は良く聞きますが。

山崎さん
一番は期日ですね。他の方から「言われた日には、絶対オープンしないよ」という話は聞いていて、蓋を開けたら実際にオープンしませんでした。笑

みんな笑ってましたね。笑 「遅れて当たり前」が普通なのがある意味凄い文化だなと思いました。

ハワイの店舗は3ヶ月、カリフォルニアは7ヶ月以上遅れました。周りのお店では1年以上遅れているとこもありました。

野村:
待っている間は、家賃等払い続ける必要があるのですか?

山崎さん
それも契約次第ですね。

私もアメリカに滞在して3年なので確信とは言えないのですが11月第4木曜の「Thanks Giving Day」を過ぎると、そこから「クリスマス休暇」などもはじまり、物事が一気に進まなくなるんだと思います。

その頃になると、皆がバケーションに入ってしまい、担当者もずっと不在という状態になります。反省点があるとすれば、その点を考慮せずにスケジュールを組んだ事ですね。

ハワイもカリフォルニアもどちらも、11〜12月をスケジュールに入れてしまったので、結果遅れてしまいました。こちらの習慣に合わせて、とにかく「Thanks Giving Day」までに終わらせるという段取りが必要なんだなと学びました。

ハワイとカリフォルニアの違い

野村:
ハワイからカリフォルニアに来て、違うなと思った部分はありますか?

山崎さん
ハワイは島国ならではの雰囲気がありますしさらに親日ということもあり、買取や価格に対してそこまでシビアな人がいませんでした。

ドネーションする場合は1円にもなりませんが、私たちはお金を払って買い取るので、少しでもお金になったら嬉しいと言ってくれていました。

その一方、カルフォルニアは買取価格に対してシビアな方が多い印象を持っています。

陸続きなので、自分で売る手段がいくらでもあるんですね。価値があるものなら、自分で高く売ろうという人が多いです。

今後の展望について

野村:
今後の展望についてお聞かせ頂けますか?

山崎さん
具体的な中期目標としては5年で10店舗の立ち上げを計画しています。11月はロスのオレンジカウンティでの新店舗を計画中です。

最終目標は現地の文化を変えられるようにしていく事ですね。アメリカでは「リサイクル」というものが、非営利団体であったり、ドネーション文化としてはあるけど、ビジネスの形ではありません。

私たちが今後成功していけば、これがビジネスになるという事で似たような店舗が出てきて、業界全体が盛り上がるのではと思っています。

今は、「持続可能社会」がテーマになっていますよね。我々のようなお店が増えていく中、日本人としてアメリカ文化に貢献していきたいなと思っています。

インタビュー前半のまとめ

インタビュー前半では、米国法人Eco Townとしてハワイとカリフォルニア進出を果たしたお話をお伺いしました。異なるビジネス慣習で苦労があった中、「日本流」の綺麗な商品、整った陳列、接客を行う事で、現地での高い評判を獲得しているというのは、同じ日本人として誇れる点だと感じました。

インタビュー後半では「Eco Town流アメリカ人社員のモチベーションアップのためにできる4つのこと」について詳しくお聞きしました。

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