今回は、カナダのバンクーバーにて海外就職を果たした遠山怜欧さんにFacebook Live インタビューを行いました。
遠山さんが海外就職する為にどんな準備を行ったのか、また実際に現地の会社に勤めてみてどんなことを感じたのかなどの質問をしてみました。
Profile:
遠山怜欧(Leo Tohyama)
2018年までバンクーバー在住。
日本で4年間ウェブの仕事をした後、カナダへ。州立カレッジBCITでウェブ制作を学び、就職、そして2019年に日本へ完全帰国。
現在は、カナダのソフトウェア会社の東京支社でマーケティングを行う。
基本的にキャリアの多くはデジタルもしくはマーケティング、そしてコンテンツに関わっている。
YouTubeチャンネル『Leo Tohyama』にて、ガジェット紹介動画やVlogを更新中。
(※その他のインタビュー動画の一覧はこちらから。以下の記事はインタビューのハイライトです。)
目次
明確なロールモデルと英語圏市場の大きさが海外就職の動機となった
野村:
まずは、なぜ海外就職しようと思ったのか、動機を教えてもらえますか?
遠山さん:
海外で就職したいと思った動機は、3つあります!
1つ目は、勤めていた会社の先輩がアメリカ帰りで、その人に憧れていたという理由です。
その人が会社にきてから、海外のクライアントとも積極的にSkypeでミーティングをするようになって、自分もそういうことをしたいと思い始めました。
この先輩が僕のロールモデルになったわけです。
2つ目の理由もその時働いていた会社なんですが、上司が定期的にマーケティングとかデザインのカンファレンスの為に海外出張をしていたんですよ。
これにも憧れていたんですよね。
ただやっぱり会社のお金で海外に出張するとなると、それに値する価値を見出せないといけないじゃないですか。
その時は、実際に自分にそれほどのスキルがあるという自信がなかったんですね。
ただ明確に海外に行きたいという気持ちがあるのに、このままにしたくはないなと思っていました。
そんなこともあって、まずは現地に行かないとと思っていました。
3つ目の理由は当時から自分のウェブサイトを運営していて、やはり日本市場っていうのは小さいのかなと感じていました。
英語圏の市場の方が大きいと感じていたので、英語圏向けの仕事がしたいなと思っていました。
忙しい中でも行なっていた学校外の活動が就活に活きる
野村:
まずは学校に通われたということでしたが、学校生活はいかがでしたか?
遠山さん:
そうですね、まず1年間英語の勉強をして、その次の1年間でWebの勉強をしました。
学校生活は、正直言ってかなり忙しかったです。
特に厳しいことで有名な学校であったので宿題も多くてハードでした。
野村:
何か学校以外でも活動をしていたのですか?
遠山さん:
はい、していました。
最初通っていたESLは忙しかったのですが、タームごとに忙しさの波があったんですね。
だいたい2ヶ月周期ぐらいだったと思います。
この少し開いたタイミングで新しいWebサイトを立ち上げました。
日本酒のうまさけというウェブサイトを立ち上げてそこでSEOの実験をしたりしていました。
野村:
そういった活動は就活に活きましたか?
遠山さん:
めちゃくちゃ活きましたね。
実際にこの立ち上げたサイトで数字が出たので、その成果についてネタにすることができました。
この活動をしていなかったら、もしかすると就活はもっと厳しいものになっていたかもしれないですね。
現地で作ったコネクションにより現地就職がスムーズに!
野村:
実際に就職活動はいろんなアプローチの仕方があると思うんですけど、どのように就活をされたんですか?
遠山さん:
結局一番効果があったのは、行きたかった会社に知り合いがいて、ポジションを紹介してもらったりアドバイスをもらえたことですね。
野村:
なるほど。その方とはどのように知り合ったのですか?
遠山さん:
同じ留学エージェントを使っていました。
Frogという、バンクーバーにある留学エージェントです。
このFrogでは月に1回ぐらいミートアップイベントがあって、そこで出会いました。
野村:
エージェントのイベントで実際の就職に繋がるコネクションができるのは良いですね。
遠山さん:
そうですね。
Frogが専門エージェントだったので、クリエイターの人など業種が似ている人に会うことができましたね。
それ以外の現地のMeet Upにも参加しましたが、正直言ってこちらはあまり自分には合いませんでした。
そもそも自分が人見知りということもあって、ガツガツ話しかけて友達になっていくというスタイルが自分には合いませんでした。
また実際に参加してみると少し胡散臭いものであったり、マーケティングで言うとあまりにも低レベルなものが多かったイメージがあります。
そんなこともあり、あまり積極的には参加しませんでした。
野村:
その他Indeedなど求人サイト使ってレジュメを送るという方法は行いましたか?
遠山さん:
それはやってないんですよ。運が良かったなと思います。
たまたますでに友達が面白い業界にいたので、その会社に応募しました。
野村:
就活に関して迷いや焦りはありましたか?
遠山さん:
運良くすぐ決まったので、焦りはありませんでした。
ただ、迷いは結構ありましたね。
というのも僕のポジションが日本市場向けのポジションだったからです。
そもそもの海外就職の動機と言いますか背景が、英語圏のマーケットの大きさにふれるというところがあったので、このポジションにつくと対英語圏の仕事の経験が得られないと思ったからです。
その葛藤はありましたね。
野村:
実際に今思うとその決断はどうでしたか?
遠山さん:
間違った選択ではなかったと思います。
一つの道としてこれでよかったと思っています。 一方で別の道を選んでいたら、また他の道があったかなあというふうには思いますね。
ラフな面接でも、事前の準備は入念に
野村:
知人に紹介してもらったといえど結局は面接のチャンスをもらっただけだと思います。
実際に面接はいかがでしたか?
遠山さん:
そうですね。まず驚いたのがカントリーマネージャーから人事の面接のためのアドバイスをもらったことです。
かなりざっくばらんな面接だったんですけど、面接へのアドバイスをもらえるとは思っていなかったのでびっくりしました。
実際の人事面接もかなりラフでしたね。
スーツも着ていきませんでした。
その人事の方が質問されることをすごい好む方で、何度も「質問はない?」と聞かれたのが印象的ですね。
野村:
かなり順調にいったという印象ですが、面接で苦労されたことはありますか?
遠山さん:
面接の前にかなりしっかり準備をしたので順調にいったと思います。
準備の内容としては、その会社のマーケティングの改善点や、自分ならこうするという提案書を作って臨むというものです。
まあこれは実際には野村さんに教えてもらった手法ですけどね笑
視聴者質問:
給与交渉は面接の中にありましたか?
遠山さん:
ありましたね。
人事の方からいくらがいい?と聞かれてそこから始まりました。
当時基準がわからなかったのでその辺も含めて友達に聞きましたね。
野村:
実際日本で働いていた時より給料は上がりましたか?
遠山さん:
そうですね上がりましたね。微増ですけどね。
グローバル企業で働くことのメリットとデメリット
野村:
実際に就職までのブログ記事はよく見るんですけど、実際に働いてどうなのかっていう部分が気になるので、教えてください。
遠山さん:
会社によるとは思うんですけど、僕の会社は9時17時としっかり勤務時間が決まっていましたね。
これは本当に良かったです。
一方で現地企業で日本マーケット向けに働くというのは、どうしても時差の問題がつきまといます。
9時17時の勤務時間は決まっていますが、それ以外の時間で日本と時間を合わせてSkypeでミーティングすることはよくありましたね。
これはデメリットかなと思います。
野村:
勤務時間以外で、実際に働き初めてよかったこと、あまりよくなかったことはありますか?
遠山さん:
まず良かったことは、僕の会社はグローバル企業だったのでビザのプロセスがかなりしっかりしていました。
海外就職となるとビザの取得が鍵となるんですけど、ビザサポートがあってかなりスムーズに進みましたね。
グローバル企業のため、会社側にビザに関しての理解があったのかと思います。
小さな現地企業で働いた場合は、この辺りがもっと難しくなっていた可能性はありますね。
あまり良くなかったことはクビが身近に起きるということです。
自分もうかうかしていられないなと思いましたね。
いきなり誰かがいなくなって、
「彼は別々の道を歩むことになりました。ただ私たちはこれからよりチームを良くしていきましょう!」
みたいなあっさりした発表があるんですよね笑
野村:
確かに僕が勤めていた会社でもありましたね。
うまくポジティブなメッセージに変えますよね笑 これはバンクーバーの会社ではよくあることだと思います。
最低限の目標を決めておくことで、やるべきことが明確になった
野村:
渡航前にこれをやっといてよかったなと思うことはありますか?
遠山さん:
結果的にやっといて良かったなと思うことは、最低限の目標を決めていたことですね。
1年後どうなっていたいのか、5年後どうなっていたいのか。
かなり現実的な目標決めていたのでそれが良かったです。
行く以上は海外でちゃんと仕事したっていう状態で帰国したかったので、そのゴールから逆算をしていてどう行動するかを決めました。
この逆算をした時にまずは今の自分のスキルではカレッジに行く必要があるなと思い、そしたらまず英語の勉強も必要だなということになりESLに通うことになりました。
そういったゴールまでのルートを明確にすることが出来ました。
海外就職を経験して、今後のビジョンは
野村:
ちなみにどうして日本に帰ってくることになったのか教えていただけますか?
遠山さん:
良く言えばもっと新しい挑戦がしたかったということになりますね。
実は、リクルーターの方から連絡があって、すでに今働いている企業でも土日に働いていました。
やっていくうちにこっちの方が楽しいと思い始めたんですよね。
こっちの仕事の方が自分のスキルを活かせるかなと思って。
野村:
ちなみにそのリクルーターからの連絡はどのように来たのですか?
遠山さん:
LinkedInできましたね。
初めはフリーランスで行っていたのですが、ちょうどキャリアについて考え始めてたタイミングということもあり、日本に帰るとしたらフルタイムで雇ってくれるかと会社に聞いてみました。
するとフルタイムで契約してくれるということになったのでこの会社で働くことにしました。
野村:
今後の意気込みを教えてください。
遠山さん:
まず確実に世界が広がったなとは思います。
日本にいた頃は、外資の会社で働こうとは思っていなかったですね。
単純に英語力もそうですし、実力主義の環境でやっていけるか不安でした。
今は、英語力もついて、グローバル企業で働いた実績もあるので、自信はあります。
今のスキルアップした自分で改めて日本で勝負したいと思っています。
最後に一言
野村:
最後にこれから海外就職を目指す人に一言お願いします。
遠山さん:
やっぱり、最低限の目標をしっかり持っていくことですね。
目標もなくぼんやりしていると、気づいたらビザの問題が出てきちゃったということになって何も成し遂げられなくなってしまいます。
ただ壮大な目標は必要なくて、自分がしっくりくる目標があればいいと思いますね。
現実的な目標が思い浮かばなかったら、一週間ぐらいその環境に行ってみるというのもいいかもしれません。
一週間の語学留学などもありますから。
まとめ
話を聞くと順調に海外就職出来たという印象の遠山さんですが、しっかりと目標達成までのルートを明確に出来ていたこと、また面接でも入念な準備をしていたことが、成功に結びついた理由となっていると感じました。
自分がなぜ海外就職したいのかという理由を明確にして、それには何が必要なのかという自己分析の重要性を改めて感じさせるストーリーでした。