今回はLinkedInでのプレゼンスが全くゼロだった状態からどうやって、アカウントを育てて、フリーランスのプロジェクトのオファーをもらうまでに育て上げたかをご紹介します。
ゼロからLinkedInでフリーの仕事をもらうまでにやったこと
ゼロからLinkedInでフリーの仕事をもらうまでにやったこと(※今朝のライブビデオにノイズが入り過ぎていたので少し編集調整しました。)
野村 晶大さんの投稿 2019年4月20日土曜日
(※以下の記事はインタビューのハイライトです。)
LinkedInは日本にいる時はもちろん使っていませんでした。カナダで仕事をするようになり本格的に使用するようになり、そこからフリーランスとして仕事をもらうまでに、どのような方法でアカウントを育てたかをお話します。
今回は「日本語だけじゃなく、英語での案件を受ける気がある人」「LinkedInのアカウントを持っていない、持っているけどあまり活用できていないという人」向けになっています。
もちろんフリーランスとして仕事をすることになるので、「業務経験があって専門性が多少ある」という前提になります。特に、日本在住だけどこれからどんどんLinkedInを活用したいという人に向けた内容になっています。
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目次
日本でのLinkedInのポテンシャル
現在のLinkedInの利用状況ですが、2019年4月現在で「200カ国で6.1億人」のユーザーがいて、ビジネス系SNSとしては世界最大級です。一方、日本でのユーザー数は日本語ユーザー140万人、英語ユーザー200万人という状況です。
(※上記のスライドの左側に5.9億人以上と書いていますが、最新のデータは6.1億人)
この数字はLinkedIn広告の管理画面で簡単に見ることができます。例を挙げると、ブラジルでどのくらい日本語ユーザーがいるかなど簡単に調べられます。
各国の人口との比較をした場合、アメリカの人口が約3億人2,800万人、LinkedInユーザーは約半数。カナダもオーストラリアも約半数が利用しています。
日本は人口1億2,600万人でLinkedInユーザーは約200万人、普及率は約1%です。アジアに目を向けると、日本だけでなくインド・中国など含めてアジア全体で低い状況です。
普及率が低いのですが、日本でもLinkedInは活用できると思っています。実際にこれは私のインボックスに届いたメッセージの例です。
例えば「Native Japanese Paid Media Expert living in Japan」や「Japanese gaming affiliate website and necessary SEO work」など。
日本マーケットへの進出ニーズと、それをサポートする日本人パートナーを探しているという問い合わせです。
実はLinkedIn上のロケーションを「カナダから日本」に移した瞬間にワッと問い合わせが来ました。日本マーケットに進出する際のパートナーを探しているニーズがある程度存在するのかなと思います。
連絡が来るのは、アメリカ・イギリスが多くて、たまにオーストラリアからも来ます。彼らのニーズは「日本市場に明るいパートナーを探したい」ということです。
日本でフリーランスを探す上では「Lancers」「CrowdWorks」、プロフェッショナルを探すなら「Wantedly」や名刺交換アプリがSNSの役割を果たしています。
それらを知らないので、とりあえずLinkedInを使う。ですがそもそも日本でのユーザー数が少ないので探すのに苦労しているのではないかなと想像できます。
LinkedInのコネクション3タイプ
LinkedInのコネクションは大きく分けて3タイプ存在します。一つ目は「リクルーター」。仕事を斡旋している人たちです。
二つ目はマーケティング領域限定かもしれませんが「エージェンシー」。
例えばマーケティングといってもDigital、Traditionalなど様々な分野に分かれます。デジタルマーケティングの中でもData Analysis、Paid MediaやSocial Mediaなどさらに細分化することができます。それら全てを内製で賄うのは難しいので、分野に応じて外注できるフリーランスをプールしているエージェンシーが存在します。
三つ目は「一般ユーザー」です。経営者や一般社員ですね。フリーランスとしてコネクションを増やす中で重要なのがこの「一般ユーザー」です。
その理由はリクルーターやエージェントが持ってくる案件は、具体化されているが予算があまりない事が多いんです。例えば時給50ドルとか。
もう一つ問題なのが、プロジェクトのことをしっかり理解してなくて、初期のコミュニケーションで上手く行かない事があります。
一方で「一般ユーザー」とのやり取りは非常に柔軟性が高いです。売上が伸び悩んでるとか、新しい市場開拓したいとか本質的な話が直接できるので、課題に対して逆にこちらから提案することができます。
リクルーターやエージェントと比較して予算も持ってるので、その範囲内で効果的な提案ができ、互いに良い関係を築けます。
リクルーター、エージェンシーは常に積極的に候補者を探しています。放っておいても向こうが探し当ててくれるので、そこまで気にしなくて良いと思います。
ゼロからフリーランスの仕事をもらうまでにやった5つの事
具体的には5つあります。
1.プロフィールをしっかり作り込む
2.コンテンツを作成・拡散する(自身の専門と関連する内容)
3.コンテンツをきっかけにコミュニケーションを取る+コネクションを増やす
4.その中の一部と一緒にプロジェクトを進める
5.その人から他の人を紹介してもらう
今回はいかにフリーランスの仕事を取れる状態にまでLinkedInアカウントを育てるかという部分、つまり上記の1-3に絞ってお話しします。
プロフィールをしっかり作り込む
プロフィールの基本項目をしっかり埋める
アイコン・ヘディング(ヘッドライン)・ジョブサマリー・過去のキャリア・学歴・ボランティア経験・メディアなど項目数が結構あります。大事なのはヘディングに自身の専門領域のキーワードをしっかり入れる事。
(※例えばSEOが専門であれば、SEO Specialistなど)
サマリーはプロフェッションの内容とパーソナリティ、テクニカルスキル、仕事の価値観・大事にしていることなども入れます。私の場合はデジタルハリウッド大学、バンクーバーのフロッグで登壇した時の写真を載せています。
過去の職歴はタイトル(ポジション名)と就労期間、職場の簡単な概要説明、自身のポジションの業務内容、そして成果として言えるものがあればそれも入れます。ポイントとしては、タイトルのところに専門に関するキーワードを入れるとヒットしやすくなります。私の場合は、デジタルマーケティングスペシャリストですが、サブタイトルとしてデータサイエンスなど、検索されやすいキーワードを入れています。
言語の部分ですが、そんなに話せなくても普通にコミュニケーションが取れるのであれば「Full professional proficiency」でOKです。
Recommendationを書いてもらう
重要なのがRecommendation(推薦)です。
Recommendationは人から書いてもらうものですが、これをいかに拡充するかがポイントです。例えばConnectionが800などあっても、Recommendationがゼロだと嘘くさいプロフィールになります。
最初は知り合いとか前職の仲間とかにお願いしました。
Recommendationの本文はこっちで作って、向こうに入れてもらうのもアリだと思います。
Endorsementを出来るだけもらう
Endorsement(支持・承認)も出来るだけもらった方がいいです。これも他人からです。
私の場合、プロフィールでそこまでSEOに触れていないにも関わらず「SEO関連」の依頼を頂く事が多いです。
その理由はSEOのEndorsementが多いため検索に引っかかるから・・・かもしれません。自分の推したいSkillをEndorsementしてもらえるようにしましょう。
コンテンツを作成・拡散する(自身の専門と関連する内容)
「Post」「Article」2種類の拡散方法を活用する
プロフィール拡充ができたら次がコンテンツ発信です。LinkedInで発信できるコンテンツは「Post」「Article」の2種類です。
PostはFacebookの投稿やTwitterの投稿など、一般的なSNSの投稿と同じイメージです。
Articleは日本でいうとNote、北米ならMediumとか、ブログ記事のイメージです。Articleを投稿するとネットワーク内にいる全ての人に通知がいきますので、リーチ獲得に効果的です。
例えば2年前にアップした以下の記事では、ページビューが700程度にも関わらずコメントが28件。かなりコメント率が高いことがわかります。ちなみにLinkedInは他のSNSと比べるとリアクション率が非常に高いのが特徴です。
リーチ獲得には「グループ」の活用が重要
「まだコネクションが少ない間に記事を投稿しても意味ないのでは?」という疑問が生まれると思います。コネクションを増やすのは多少時間がかかります。
そこで重要なのが「グループ活用」です。グループを活用してコンテンツを拡散していきます。
例えば私がよく利用する「Digital Marketing」のグループですが、現在100万人ほどメンバーがいます。グループのメンバーであれば誰でもコンテンツのシェアができ、費用をかけずに最大で100万人にリーチができることになります。
グループ投稿した時の実際のリアクションと効果
これは過去グループでコンテンツをシェアしたものですが、SEOについて初心者向けに分かりやすくイラスト付きで解説した記事です。400LIKE、コメントは100件ほど頂きました。
これとは別に「マーケティングエージェンシーで仕事する時に、生産性が上がるマインドセット」という記事も投稿しました。
こちらの記事はLIKEとコメントの数がほぼ同じで、コメント率が非常に高いことが分かります。
グループ内に投稿したコンテンツに反響があればコネクションを一気に広げることができます。特に「Authority(権威)」としてコネクションを広げられるというのがポイントです。
実はコネクションの「数」を広げるのは、そこまで難しくないんです。お話ししたリクルーターやエージェントなどとつながっていけば数は増えます。
Authority(権威)としてコネクションを広げていくのがポイントで、フリーランスとして仕事をもらう時に「SEOならこの人」という指名がもらえるようになります。
コンテンツをきっかけにコミュニケーション+コネクションを増やす
メンバー10万人以上、親和性の高いトピックで投稿する
さて実際にLinkedInグループを活用する際に、おすすめのグループをいくつか紹介します。
1.Digital Marketing
https://www.LinkedIn.com/groups/62352/
2.Chief Marketing Officer (CMO) Network – #1 Executive Group for CMOs | Jobs & Career
https://www.LinkedIn.com/groups/51822/
3.Marketing & Communication Network
https://www.LinkedIn.com/groups/105450/
4.Marketing Communication
https://www.LinkedIn.com/groups/59008/
5.Media & Marketing Professionals Worldwide
https://www.LinkedIn.com/groups/78629/
マーケ系の人は特にこれをチェックしてみて下さい。
それ以外の人は「メンバー数10万人以上」かつコンテンツがグループのテーマに合っているかという「トピックとの親和性」をもとにグループ探しを行ってみてください。
補足すると、先ほど紹介したDigital MarketingのLinkedInグループには初心者レベルの人が大多数を占めています。そのため初心者向けのコンテンツをシェアしたほうが、反応が良いという傾向がありました。
実際にコンテンツをシェアしてメンバーの反応を見ながら、各グループにどういうコンテンツが刺さるかを見極めながらやっていくことをおすすめします。
リアクションからコネクションを広げて行く
実際にコンテンツをシェアしてリアクションをもらったら、こちらから積極的にコミュニケーションしてコネクションを増やすことが重要です。
ポジティブなコメントをもらった人の中で、より具体的なコメントをした人にはこちらからコネクション申請しましょう。例えば「コメントしてくれてありがとう!つながりましょう」など。向こうが申請を承認してくれたら「記事の中で気になる事、もっと知りたい事があれば連絡してね」という感じで積極的に行きます。
実際に繋がった時にサービスのニーズがあるかはタイミング次第になりますが、今後につながります。コネクションを広げて、アプローチをこまめに取っておくことがポイントです。ちなみに今回ご紹介したSEOの記事のおかげで、100-200くらいコネクションが増えて、3件のフリーランスの仕事につながりました。
まとめ&最後に一言
LinkedInに手をつけてない人はまずプロフィールを拡充しましょう。そしてコンテンツを作ってグループで拡散。そこからコメントをくれた人にアプローチしていき仕事をもらえるチャンスを最大化していきましょう。
余談ですが、フリーランスの仕事をもらっていく中で、英語圏の市場を相手にする場合はネックになるのが「語学力」だと思います。初対面で語学力が低いと、能力が低いと思われます。それは人間の性です。仕方ないです。
実際に起こったのが、初回のスカイプミーティングを終えた後「他の人にお願いする」と連絡をもらった事がありました。向こうのペースで行くと、言語の問題もあって仕事に結びつかないことがあります。
出来るだけ情報をもらって、あらかじめ提案書を作っておくというのが良いと思います。この提案書は実は案件を深く理解していないエージェントやリクルーターに送っても響かないんです。
今回のポイントを参考にして、一般のコネクションを広げて、どんどんLinkedInを活用してみてください。
2020年追記: 最近のLinkedInってリクルーターのデータベース化してない?と感じることがあったのでフォローアップコンテンツを作りました。こちらもチェックしてみてください。