今回はカナダ・バンクーバーで留学サポートを行なっているCOSの藤井様にお話を伺いました。
COSは永住権の取得を見据えた保育士、IT系の就職サポートを行なっている海外就職に特化した留学エージェントです。
今回は保育士を目指す方の実際の留学から就職までの流れにフォーカスしてインタビューを行っていきます。

Profile:
藤井佑耶 /CEO
兵庫県出身
高校卒業後すぐにカナダ・バンクーバーに渡航
2年間の留学期間を経て現地貿易会社の営業職として勤務。
その後、いくつかの職を経験し、2010年に独立、2011年にCOS Educational Consulting Incをカナダ現地法人として起業。事業内容は留学斡旋、人材紹介、移民コンサルティング。

留学エージェントとして独立を決意したきっかけ

渡部
本日はよろしくお願い致します。

藤井さん
よろしくお願い致します。

渡部
まず初めに、そもそもCOSを立ち上げようと思ったきっかけを伺ってもよろしいでしょうか?

藤井さん
COSを立ち上げる前は小さな語学学校で働いていました。小さな学校だったので、校内での生徒のサポートも外部の留学エージェントとのやりとりも全て行なっていたんですよ。
外国人として武器になるような専門スキルもなかった為、何かを自分で始めないと外国で大きくなるのは難しいなと感じていたところ、普段やりとりをしているエージェントという仕事が自分に合うのかなと思ったのが、最初のきっかけですね。

渡部
すごい決断力ですね。
異国の地で起業は大変ではなかったですか?

藤井さん
今思うと大変でした。
勢いで会社を辞めたので、起業という名のただのニートですからね(笑)
エージェントの仕事は学校に学生を紹介し、紹介料をいただくというビジネスモデルですが、
当初はどこから初めていいかもわからなかったので、毎日図書館で英語を勉強している人に声をかけて、その人達に徹底的に英語を無料で教えるという事を行なっていました。
その人達が、学校に進学するという時に学校を紹介させてもらうという方法を取っていました。

渡部
なるほど。開業当初は語学学校への送客がメインだったんですね。

藤井さん
そうですね。最初は右も左もわからないので出来る事をがむしゃらにというイメージでした。

語学留学のサポートからより専門分野に特化したエージェントに

渡部
その後徐々に保育士やITといった専門分野に特化していった背景を教えて頂けますか?

藤井さん
そもそも自分の妻が保育の勉強をしていたんですよ。そして実際に保育士として就職をしようと思っていた時に、なかなか日本語でまとまっている情報がなかったんですよね。
そういった理由で備忘録も兼ねて妻がブログを始めたんですよ。こっちの保育園で使える英語の歌とかアクティビティなどをまとめていました。
そうすると、そのブログから徐々にカナダで保育士をする為の方法についてお問い合わせが来るようになったので、その方達のサポートも行わせて頂く事になりました。
これが最初のきっかけですね。このブログをきっかけに、現在は現地の保育士さんに寄稿してもらう形式のホイクペディアを運営しています。

渡部
こちらの保育のことについてはそこから学び始めたのでしょうか?

藤井さん
そうですね。妻の力を借りながら勉強を始めました。
専門職の人は、語学留学の方以上に、多くの費用をかけ、人によっては人生かけてカナダまで来てる人も多いので、まずは知識量だけでもその人達以上に持たないと失礼にあたると思い、当初は本当に勉強しましたね。

渡部
実際にバンクーバーに来られる方はどのような経歴を持った方が多いですか?

藤井さん
そうですね、当初は日本で数年保育士として働いて、色々日本の職場環境に不安や、不満など感じている人が環境を変えたくてやって来るというケースが多かったです。また妻が未経験でも海外で就職、永住出来たという経緯もあり、キャリアチェンジとして連絡いただく方もいました。
ただ最近は、海外で就職したいという夢を持ってやって来る学生も多いですね。
そういうこともあり、今は経験者から未経験の方まで幅広くいますね。

賃金も職場環境もいいことづくし?カナダと日本の保育士の違いとは

渡部
日本の環境に不満を持っていた為、カナダにやって来るというお話がありましたが、日本とカナダの保育士の大きな違いはどこにあると思いますか?

藤井さん
労働環境が全く違いますね。
まず賃金が上がる方がほとんどだと思います。
日本の保育士は本当に安い賃金で、長時間労働が顕著な職種です。

バンクーバーの場合、一般的な賃金が17-20ドル程度、労働時間は7~8時間と確実に守られます。残業もなくなるので、感覚値ではは2〜3倍くらいだといういう方もいらっしゃいます。

あと日本と大きく違う点としては、同僚との関係、保護者との関係も多く聞かれます。
日本と比べて同僚ともフラットな関係なので、上下関係などを気にすることがないようです。
また日本のように保護者に気をつかうこともなくカジュアルな関係を保つことができているようです。
私にも娘がおり保育園に送り迎えに行くことがありますが、本当にカジュアルな保護者との関係を感じます。

渡部
どういう方がスムーズに職についている印象ですか?

藤井さん:
そもそもこちらBC州でも圧倒的に保育士は足りていないんですよ。
ですからしっかりと英語の準備、ビザの知識があれば、仕事に就くことは難しくありません。ビザの知識に関しては、就職に大きく関わってくる事であり、弊社で国家資格のライセンスを持ったスタッフも在中していますので、任せていただければと思っています。皆さんには、まずはとにかく英語を頑張ってもらう環境を整えています。

日本の保育資格は書き換え可能!あとは英語力を伸ばすことに専念

渡部
その英語力の部分ではどのくらいの英語力が求められますか?

藤井さん
そうですね、これに関しては高ければ高いほうが良いというのが本音ですが、就職活動時にTOEICでいうと700点くらいあれば就職は見つけられると思います。0〜3歳未満の乳幼児を扱える資格(Infant toddler)と3〜5歳児を扱う資格(Basic)が一般的ですが、赤ちゃんに近い乳幼児を扱うポジションのほうが英語力は求められにくい傾向はありますね。
弊社でもテストを行ってから、どのくらいの期間語学学校に通った方がいいのかというアドバイスをさせてもらいます。

渡部
資格の話が出ましたが、日本の資格をカナダの資格に書き換えることも可能なのでしょうか?

藤井さん
はい、可能です。弊社で免許の書き換えサポートも行なっています。
日本で勉強した科目と、時間をそれぞれ査定、翻訳し、専門の機関に提出します。
私達に日本の成績証明書を送ってもらっていただくところからスタートしますが、期間としては1年くらいかかりますね。
毎年多くの保育士のサポートをしているので、保育園との関係も徐々に出来始めており、就職斡旋も行っております。

気になる保育士になるまでのスケジュールと費用は?

渡部
保育士として仕事に就くまでのスケジュール感を教えて頂けますか?

藤井さん
英語力、免許書換の可否にもよりますが、英語力が保育免許取得の為のカレッジに入れるレベルの方で、約250万円と回答させてもらう事が多いです。
内訳としては170万円の学費、50万円程度の生活費(最初の4ヵ月程度)、30万円の渡航準備費というイメージです。4ヵ月目以降はバイトで生活費を捻出してもらいます。

スケジュールは2年間ですね。
まずは1年間(11ヵ月)学校に通う期間となります。8ヶ月の座学と3ヶ月の実習が組み合わされたコースが人気です。
この1年間の学校生活が終わってからワーキングホリデービザを使って就職となります。

ワーキングホリデーが無くても実習の期間にオファーが出るケースや、卒業のタイミングで弊社からワークビザのスポンサーをしたいという園をご紹介する事も良くありますが、ワーキングホリデーを使える方は、さらに安心という事でワーホリをこのタイミングまで使用しない方法をオススメしています。

またすでに免許を持っていて、免許書き換えを行う場合は金額もスケジュールも別になります。
保育士免許の書換は1年程度かかるので、渡航予定の半年〜1年前に手続きを開始してもらいます。
免許を待っている際に語学学校に通い、免許が取れたらワーキングホリデーで働くという流れですね。
4ヶ月くらいの語学学校代と生活費、免許書き換えも合わせると100万円位ですが、いかに語学学校の期間で英語力を仕事が出来るレベルにまであげられるかがポイントです。
弊社では、カナダ人保育士を招いて定例のワークショップを行っています。免許書換で就職を目指す方は、特に現地の保育に触れる機会がないので、この機会を利用して就職につなげていただきたいと考えています。

日本と比べると上がる傾向にある?気になるカナダの保育士の賃金事情

渡部
実際の収入はどのくらいになりますか?

藤井さん
正式に保育士の職に就くことが出来れば、2,500ドル〜3000ドル程度かなと思います。
乳幼児を扱う資格を持っていると3000〜3500といった求人もよくあります。
ただし、オンコールと呼ばれる、正規の先生が休みの時のカバーといった形で就職し、信頼を掴んでいくような流れです。
カナダも日本以上に保育園不足があるので、パートタイムで入っていた園の新規オープンの園でフルタイムのオファーをもらうという話も本当に良く聞きます。

渡部
よく聞く、カナダで働き始めて戸惑うことはありますか?

藤井さん
子どもの自由を尊重、個々の先生の裁量の多さに驚かれる事は多くあります。楽器が得意な先生は楽器、運動が得意な先生は運動と、それぞれの先生が別々の事をするのも日本とは違うのではないでしょうか。
日本の保育士としての仕事は、園の方針に沿ったアクティビティの準備や、毎月の行事、保護者との連絡帳など、日々の子どもに関わる事以外の仕事が非常に多く、皆さん日本にはもう戻れない!と言いますね(笑)
ただ敢えていうと、他の職種と比べて、給料の上がり幅が少ないのかなという声はありますね。これは保育士という職種は世界共通の問題かと思います。

渡部
なるほど。皆さんこちらでの生活を充実していらっしゃるんですね。

藤井さん
そうですね。
昼休みにヨガを楽しんだり、仕事の後に同僚と食事に行ったりと日本では中々出来なかったことを楽しんでますね。保育士だけでなくカナダではオンとオフがしっかりしていますね。

渡部
またCOSでは帰国後のサポートも行なっているようですが、具体的に教えて頂けますか?

藤井さん
そもそも永住権を目指している人はいいですが、日本に戻る事を前提に来てる人は、いざ日本に戻った時に仕事が見つかるのかという心配をされている人が多いんですよね。
なので、その心配事を減らそうと思って、日本での職場探しもサポートすることを始めたんです。海外での経験を活かせるインターナショナルスクールの保育士などが紹介先としてありますね。
あとは最近は一般での保育園でも英語を取り入れている園が増えて来ているので、英語を喋れる保育士さんはかなり需要があるんですよ。その為、皆さん帰国後の仕事探しにはほとんど苦労していないようです。

日本でのスキルは確実にカナダでも通用する!

渡部
最後に今後海外での就職を検討している方々にアドバイスをお願い致します。

藤井さん
海外に出ることが全てではありませんが、選択肢の一つとしてもっと気軽に考えてもらえればいいかなと思っています。
保育士に限って話すと、海外で通用しやすい、せっかくいいポジションの経験をお持ちなので、是非挑戦してみてもらいたいなと思いますね。
来た方は皆さん満足されているケースが多いので、そんなに難しくないよと伝えたいですね。

渡部
ありがとうございました。

まとめ

カナダでの保育士事情だけでなく、日本の保育士事情についても深い理解を持つ藤井様からは、カナダで保育士を目指す方々一人一人に対して真摯にサポートを行う姿勢が伺えました。就職のサポートだけでなく、就職後の永住権獲得までを見据えたサポートをして頂けるという事は、カナダで保育士を目指す方々にとって非常に大きなアドバンテージになると思います。