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即戦力の人材が集まるカナダのインターンシッププログラム、日加 Co-opプログラム (CJCP)とは

即戦力の人材が集まるカナダのインターンシッププログラム、日加 Co-opプログラム (CJCP)とは

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「カナダの若手人材活用プログラムの紹介と活用事例」というテーマで、カナダ大使館主宰のウェビナーが開催されました。

その1日目として「日加 Co-opプログラム (以下、CJCP)」の紹介が行われました。

本ウェビナーではCJCPの概要の紹介だけでなく、実際にCJCPプログラムを利用した、ホンダ・リサーチ・インスティチュート・ジャパンとEMC Healthcareの事例紹介も行われました。

本記事ではウェビナーの要旨をまとめましたので、これからCJCPの利用を検討されている方は是非ご参照ください。

日加 Co-opプログラム (CJCP)

Presenters:

Julie Walchli (ジュリー ウォルクリ), Co-Director, CJCP
Sara Buse, (セーラ ビューシー), Co-Director, CJCP
Yuko Nemoto, Program Coordinator
Guest Speakers:

土田芳樹氏, Division Manager, Administrative Division, ホンダ・リサーチ・インスティチュート・ジャパン
スティーブン・ザン氏, CTO, EMC Healthcare

カナダ高等機関における Co-op教育とCJCP

カナダではCo-op教育が盛んです。

Co-op教育とは、教育プログラムの中に企業での実務経験を組み込むことで、
座学で学んだことを実際のビジネス文脈で活かすことで社会のニーズと合致したスキルを身に着けることを目的としています。

学生側は実際の就労経験を得るメリットがあり、企業側は最新の専門知識を取り入れることができるので、双方にとってメリットのあるプログラムになります。

カナダでは卒業前に3〜5回程度、少なくとも合計12ヶ月分のCo-opプログラムを経て卒業するのが一般的。
カナダではほとんどの大学・カレッジでCo-opプログラムを採用し、なかには卒業の必須条件にしている大学もあります。

さらにカナダは世界で唯一、国がCo-opプログラムの認定制度を持っており、プログラムの質が担保されています。


CJCPに参加しているカナダの大学・カレッジのリスト (参照: The Canada-Japan Co-op Program)
 

CJCPとはCo-op教育の一環として、各専門領域で最新の知見・専門性を学んだカナダのトップレベルの大学・カレッジの学生を日本企業に派遣するプログラム。1991年にスタートした世界で最も歴史のあるプログラムになります。

本プログラムはカナダ全土の18以上の高等教育機関 (上記)が参加。カナダの西海岸で最も権威のある UBC (The University of British Columbia)にて運営されています。

 

プログラム開始からこれまで1200以上の生徒がCJCPプログラムに参加し、100以上の日本企業に派遣した実績があり、毎年平均して毎年50〜60人のインターンを派遣しています。


毎年の派遣数の推移 (参照: The Canada-Japan Co-op Program)
 

CJCPインターン生の専門領域と過去の受け入れ先企業例

カナダといえば、Touch-Baseの別の記事でもご紹介した通り人工知能・AIなどのコンピューターサイエンスやソフトウェアが強いイメージがありますが、CJCPで派遣する学生の専門分野は多岐にわたります。

  • 工学部 ー 電気、機械、材料、土木、化学、コンピューター、ソフトウェア、生物医学
  • 理系 ー コンピューターサイエンス、化学、物理、生物、微生物学、分子生物学
  • ビジネス ー 会計、マーケティング、 物理 、 経営 、人事
  • 文系、人文科学、社会科学ーアジア研究、国際ビジネス、国際関係、公共政策、情報管理、観光学

 
2019年度の派遣実績を都市別にみると、東京近郊が最も多く41件、次いで次いで京都近郊が6件、名古屋近郊が4件となり、以下の企業がCJCPプログラムを通じて研修生の採用を行ないました。

  • 旭化成 — 1名採用
  • ATR (国際電気通信基礎技術研究所) — 3名採用
  • アズビル — 4名採用
  • 大日本印刷 — 1名採用
  • EMC Healthcare — 2名採用
  • 名古屋大学 未来社会創造機構 — 1名採用
  • モリタ製作所 — 1名採用
  • JFE スチール — 6名採用
  • KPMG Ignition Tokyo — 2名採用
  • NIMS  (物質・材料研究機構) — 2名採用
  • NTT — 15名採用
  • 大阪ガス — 1名採用
  • 楽天 — 5名採用
  • Smart Trade — 1名採用
  • 太平洋セメント — 2名採用
  • 太洋工業  — 1名採用
  • 東亞合成 — 1名採用
  • 東京ガス — 2名採用
  • ヤマハ発動機 — 1名採用

 

受け入れ先である企業が研修生に対して支払う手当はおよそ70,000円〜205,000円/月。
2019年度の平均は148,000 円/月となります。研修受け入れの際の詳細な費用分担は以下の通りです。


 

例えば、月手当70,000円の場合、寮費と食費を別途受入企業が負担し、
210,000円の場合、支給額から、住居費の一部負担、食費を学生が負担するなど、実際はケースバイケースで柔軟に相談しながら進めていきます。

 

なお、選考・インタビューなど募集段階のコミュニケーション、受け入れ企業の在留資格認定書申請に関する内定学生の必要書類のサポート、研修前、期間中のサポートを日英両語で行っています。

また、学生は出発前に1週間の事前のオリエンテーションにて、日本で就労することに関する基本を受講してから渡航します。

[オリエンテーション内容]

  • 日本での職場のオリエンテーション
  • 日本語のトレーニング
  • 日本のビジネスマナー
  • 同時期に日本で就労する生徒同士のネットワーキング

CJCPでのインターン受け入れ事例

またウェビナーの最後に実際にCJCPにてインターン生を受け入れたことのある、ホンダ・リサーチ・インスティチュート・ジャパンとEMC Healthcareから「インターン生が担った業務」「CJCPの学生受け入れのメリット」の話がありました。以下要旨をまとめました。

事例1: ホンダ・リサーチ・インスティチュート・ジャパン(HRI-JP)

ホンダ・リサーチ・インスティチュート・ジャパンは自動車技術を超えた新しい領域に挑戦するための組織として2003年日米欧に設立された会社。

コンピューターサイエンスの分野に注力して研究を行い、AIを活用した人と機械のコミュニケーションの円滑化や機械による人間の理解や社会性のもったコミュニケーションの推進を行っています。

インターン生が担った研究プロジェクト例

  • 目線や表情、身振り手振りから相手の意図を汲み取る非言語インタラクションシステムのプロトタイプの開発
  • 機械による人間の知覚の理解・リサーチ

CJCPの学生受け入れのメリット
1. 最先端の技術に触れられる
2. 日加の相互の文化理解
 

事例2: EMC Healthcare

EMC Healthcareはヘルスケアのスタートアップ企業。
ウェアラブルデバイスの開発から、病院経営のコンサルティング、保育園の見守りシステムの開発などを行っています。

インターン生が担う研究

  • ウェアラブルデバイスのワイヤレスのブルートゥースの開発
  • VRゴーグルタイプの医療機器の開発

CJCPの学生受け入れのメリット
1. 即戦力。プロダクト開発の責任者として任せられる
2. 当初想定していたよりも大きなスコープでも柔軟に対応してくれる

例えば、上記のVRゴーグルの開発では、インターン生がゴーグルのプロダクトデザインを主導。
3D CADでデザインしたものを3Dプリンターで出力し、プロトタイプを作成。
さらに現場の患者のフィードバックをもらって修正・改善を重ねてプロダクト開発を行うなど、インターン生が自走してプロジェクトを進めてくれるという話がありました。

 

まとめ

今回はカナダが行う「日加 Co-opプログラム (CJCP)」の魅力をご紹介しました。

最新の研究を行うために北米の研究者や技術者を雇用するとコストがかかります。

まずは、新たな研究・開発を進めるきっかけ作りとしてCJCPを活用し、インターン生を通して新規事業の可能性を模索するのも一つの手ではないでしょうか。

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